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2018.09.07 【インタビュー】
大学院生就職率100%の秘密
工学研究科長・沖村邦雄教授

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2018.09.07

【インタビュー】
大学院生就職率100%の秘密
工学研究科長・沖村邦雄教授

 

2018年3月に大学院工学研究科の就職率が100%を達成しました。以前から、社会で研究職や高度なスキルを持った人材として活躍できる力の育成に力を入れてきた工学研究科。「全員就職」を実現した背景を、沖村邦雄研究科長に聞きました。

 

―学生たちはどんな企業や研究機関に就職したのですか?

 今年度は100%を達成しましたが、それ以前も95%以上をずっと維持しており、決して今年が特別だったわけではないのです。かつてと違って、企業は「堅実採用」を重視している中で高い数字が維持できているのは、本研究科の卒業生が各企業できちんと評価されているからだと思います。

 卒業生の就職先の傾向も大きな変化はありません。本研究科の卒業生は以前から、研究・開発職として日本の屋台骨を支えている企業に就職する傾向が強いのですが、今回もそれが続いています。特に1990年代のバブル経済崩壊後、企業がより高度な専門知識やスキルを持った人材を優先的に採用するようになった結果、本研究科にも修士や博士課程の卒業生を研究・開発職として採用したいという声が多く寄せられるようになっています。その傾向は年々強まっていて、最近では「研究開発型の技術者になるには修士課程へ進学すべき」というのが常識にもなりつつあるのです。

 だからこそ、学生たちには本当に自分が就職したい企業を目指すなら、大学院に進学してほしいと思っています。大学院の学費は一見高そうに見えますが、就職後20年経過したときの年収の差を見ても、その時にできる仕事の幅を考えても大きなメリットがあると思います。

―東海大の大学院生はどんなところが評価されているのですか?

 何よりも、卒業時点での工学的な知識を活用する力が身に付けていて、自分から切り拓く能力が高いことですね。それから、研究室での定常的なゼミ活動を通じて、チームで研究に取り組む力が身についているとの評価もいただいています。

 これらの力を育てる方針は、本学が学部・大学院を通じて伝統的に取り組んできたことなので、高い評価を得ていることはとてもうれしいですね。

 工学研究科では2016年度にそれまでの11専攻制から5専攻制に再編し、より幅広い知識を身につけた人材の育成にシフトしたのですが、これもそうした狙いを現代にあった形で続けていくための改革の一つです。近年では、学問の領域の壁がどんどん消えており、さまざまな学問が融合したところに新たな産業が生まれるともいわれています。「幅広い知識を自在に使える力」は、学生たちが新時代で勝ち抜くためには重要な視点だと思っています。

―大学院生が学会で研究発表する機会も多いですね

 本学の学生が学会に行くと、自分たち以外は国公立や海外の著名な大学の学生、企業の研究者ばかりだったということがよくあります。そうした中で、学会賞を受賞する学生が毎年たくさん出ているのは本学の特徴ですね。これは各学科の先生方の指導のたまものなのですが、最新の分野に取り組んでいる教員のもとで、学生同士が切磋琢磨する環境ができていることが何より大きいと思います。「ゼミに入ってから、自分で学び、研究することの面白さを知った」という学生が多いのも、そうした背景があるからこそだと思います。それから、海外からの留学生が全体の1割程度います。国籍をこえて切磋琢磨する中で学生の研究もより充実したものになりますし、学内にいながら互いが国際感覚を身につけることにもつながっています。

 こうした個々の研究室での日々の取り組みの積み重ねがあるからこそ、企業から高く評価していただけているのだと感じています。

―今後の方針をお聞かせください

 工学研究科には海外での研究発表に必要な費用を支援する制度があり、毎年多くの学生が支援を受けています。また、大学院における給付型奨学金である研究奨励奨学金が設けられ、従来に比べて多くの大学院生が受給できるようになるなど大学の支援体制も充実してきています。また就職支援の面では、これまでは工学部の学生をサポートしていた職員に、大学院生も見てもらうようにするなどの取り組みも始めました。その結果、大学院生を対象にしたガイダンスを開くなどしたところ、修士1年から企業でのインターンシップに参加する学生も増加傾向にあり、一定の効果が出ていると感じています。

 「就職に強い」という工学研究科の伝統を繋ぐためにも、これからも学生を全力でサポートしていきます。

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