日本コンクリート工学会の年次論文奨励賞を受賞 工学研究科・瀧川瑞季さん
大学院工学研究科建築土木工学専攻1年次生の瀧川瑞季さん(指導教員=土木工学科・伊達重之教授)が7月6日に、日本コンクリート工学会の年次論文奨励賞を受賞しました。
【受賞概要】
7月4日から6日まで兵庫県神戸市で開催された同学会講演会で発表された論文の中で、特に優秀なものに贈られる賞です。
【受賞タイトル】
「モルタルの流動性におよぼす化学混和剤への熱刺激に関する基礎的研究」
【研究概要】
コンクリートの施工時に広く用いられている化学混和剤の性能をより効率よく発揮させる技術の研究です。理学部物理学科・喜多理王教授の協力を得てポリマーの性質を解析した結果、化学混和剤に少量の熱を加えてから混入すると効果が飛躍的に向上することを科学的に証明しました。
【受賞のコメント】
企業の研究者でもなかなかもらえない賞をちょうだいし、心からうれしく思います。企業の方から“施工現場で行っている工夫が研究で実証されたのは初めて”とのコメントをいただくなど、コンクリートの未来を一歩拓くことにもつながったのではと思っています。
-土木工学科の魅力は何ですか?
土木工学科は、私が所属する研究室のほかにも社会の一歩先を見据えた研究に取り組んでいることが特徴ですね。あとは基礎をしっかり身につけることができ、そのうえで学生の発想や能力をしっかり伸ばしてくれる点だと思います。
分からないところを質問をすれば、先生方はていねいに解説してくれますし、施工現場にも積極的に連れて行ってくれます。またゼミの合宿などには卒業生や企業の人も来て指導してくれるのも、すごくいいと思います。
学生の発想を大切にしてくれるのは、研究でも同じです。「これはどうだろう」と思ったことを提案すれば、その発想を大切にしてくれますね。私が所属している伊達研究室は、学生自身が行動を起こせば、かならず何かが得られるところだと思います。私自身、この学科に来て土木の魅力に目覚めたのですが、「ここでなければ今はなかった」と思うほどに満足しています。
―土木工学の面白さはどんなところですか?
なによりも領域の広さだと思います。私が携わっている研究活動も土木ですし、大きなビルや橋などの施設を作る現場で施工するのも土木です。とかく、体が大きくて力がある人がやるのが「土木」だと思われがちですが、それはほんの一部にすぎません。新しい素材や工法を研究する人や建物の設計書を書く人、現場で施工管理をする人、作業をする人、さまざまな仕事を分担する人が集まって初めて成り立つものだと思います。だから、さまざまなタイプの人が活躍できるのだと思っています。