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2021.12.01 【おしえてセンセイ10】
 エクモ(ECMO)を操作しているのは誰?

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2021.12.01

【おしえてセンセイ10】
 エクモ(ECMO)を操作しているのは誰?

医学と工学のスペシャリスト・臨床工学技士が担っています

工学部医用生体工学科 大島浩先生

新型コロナウイルス感染症の拡大で一躍注目を集めるようになった「エクモ(ECMO)」は、正式には「体外式膜型人工肺」と呼ばれています。病気などの際に呼吸を補助する機器としては人工呼吸器が広く使われています。しかし、病状の悪化などによって人工呼吸器では十分な酸素が取り込めない重度の呼吸不全になった時、「エクモ」の出番となります。

エクモは「人工肺」の名の通り、肺の機能を代替する機器です。体内から血液を取り出して二酸化炭素を除去し、酸素を供給し体内に戻します。これによって肺を休ませ、回復を補助します。

そのエクモの管理や運用を担っているのが、医学と工学に通じたスペシャリスト「臨床工学技士」です。エクモは、患者さんから取り出した血液を人工肺に送り込む「血液ポンプ」とガス交換をする「人工肺」、ポンプの駆動源となるコンソールで構成されています。エクモを使う患者さんは一刻を争うことも少なくありません。そのため臨床工学技士は、それらの部品を手早く組み立て、5分以内使えるようにする必要があります。さらに運用中、血液中のガス(二酸化炭素や酸素の量)濃度やポンプ内の血栓の有無などを常にチェックし、その結果をもとに患者さんの容態に合わせた対応策を医師・看護師に提案するのも臨床工学技士の仕事です。エクモを数週間使い続けることも多く、時には途中で人工肺の機能が劣化し、交換が必要になることもあります。その交換ももちろん臨床工学技士の役割です。医療機器を駆使して患者さんの命を救う――これこそが、私たち臨床工学技士の使命なのです。

臨床工学技士はそのほかにも、人工心肺装置、人工呼吸器、血液透析装置や心臓カテーテルで使用する多様な医療機器の管理・運用を担っています。医療の高度化やチーム医療が進む中で、さまざまな機器の操作に熟知した臨床工学技士の重要性はますます高まっていて、医療現場でなくてはならない存在となっています。

臨床工学技士のやりがいは、医療機器の操作を通じて患者さんを助けられることにあります。命の現場で働くのですから絶えず技術を磨き、新しい知識を学び続ける必要があり、常に成長し続けられるのも大きな魅力です。医用生体工学科(2022年度から医用工学科)では、多種多様な生命維持装置を学生たちが自由に使えるようになっており、国内最先端の医療を提供している東海大学医学部付属病院で実習するなど、現場に近い環境で即戦力を磨けるのが特徴です。医学と工学を融合させて活躍するプロフェッショナル「いのちのエンジニア」を、目指しませんか?

【医工学科紹介ページ】

http://www.tec.u-tokai.ac.jp/course_04#d1

【医工学科ウェブサイト】

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/dpt-biomedical-engineering/

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