工学部の学生たちが「サイエンスインカレ」に挑戦 3チームが受賞
工学部機械工学科4年次生の学生チームと光・画像工学科の学生チームが「サイエンスインカレ」(主催:文部科学省、後援:独立行政法人科学技術振興機構)に出場し、ファイナリストに選ばれた4チームのうち3チームが受賞しました。
【受賞チームと研究課題】
サイエンスインカレアンバサダー賞
細谷理紗さん(光・画像工学科4年)・黒岩俊也さん(同3年)
「銀鏡膜の緑膿菌に対する抗菌性試験とネイルアートへの応用」
この研究は、ジェルネイルを楽しむ女性が発症しやすい爪の緑膿菌感染を、抗菌作用のある銀を使って防ぎつつ、膜をさまざまな色に変化させることでオシャレさも保つことを目指すものです。プラスチックの上に銀鏡膜という薄膜を生成したサンプルを作成し、硫化カリウムで黄色や青に変色させたものも作ってそれぞれの抗菌性能を分析しました。その結果、24時間単位で計測すると抗菌作用に差はないものの、生成後短時間のスパンで見ると変色させたサンプルの方が、抗菌作用が落ちていることなどを明らかにしました。
エアーリキッド賞
笹本悠太さん・山本勘介さん(機械工学科4年)
「縁の下の力持ちロール化技術の全貌は如何に 〜巻取り速度が円周方向スリップに及ぼす影響〜」
薄い膜を大量に作成できるロール・ツー・ロールという技術に着目。薄膜を機械で巻き取っていくと、薄膜同士の間で摩擦が生じて空気を巻き込み、ずれ(スリップ)が生じることを明らかにするとともに、実験と数値解析によって巻き取り速度とずれの大きさの関係を考察しました。
日本ヒューム賞
三上駿志さん(機械工学科4年)
「『羽ばたく・ひねる・前後にずらす』で三位一体の羽ばたき! ~トンボ型MAVの飛翔安定化を目指したリードラグ運動の導入~」
超小型のトンボ型飛行体(MAV)の開発を目指したものです。従来の研究では羽を上下動させる動作とひねる動作が再現できていたものをさらに改良し、前後方向にも動かせるようにすることで、より実物のトンボに近い羽根の動きを再現できるようにしました。
【イベント概要】
この催しは、全国の自然科学分野を学ぶ学生が自主研究の成果を競い合い、課題設定能力やプレゼンテーション能力を備えた創造性豊かな人材を育成することを目的に2011年度から開かれているものです。今年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて1月25日にオンラインで審査会を開催。機械工学科からは工学部門に12チームが応募し、3チームが各賞の選考対象となるファイナリストにノミネート。このうち3年生の応募者は、学生の自主的な研究力向上を目指す「創造プロジェクト入門」・「創造プロジェクト」・「創造プロジェクト応用」の科目群を受講し、1年半かけて研究に取り組んだ成果で応募しました。
また、光・画像工学科からは物理・化学部門2チームが応募し、1チームがファイナリストにノミネートされていました。
【その他の応募テーマ】
大谷哲平さん・梶木碩介さん・坂田駿亮さん(機械工学科4年 ファイナリスト)
「ジャーナル油膜軸受の排油に謎の気泡! 可視化で明らかとなる気泡発生メカニズム」
松本香南さん・平岩悠里さん(機械工学科4年)
「ナノスケールの世界へ!夢のような優れた薄膜を作る〜PSPを用いた感圧ナノシートおよびカレンダー装置を用いた多孔質ナノシートの作成〜」
大内康輔さん・辰巳章仁さん(機械工学科4年)
「僕らはミクロの決死隊!!〜微小な世界からマグネシウムダイカストの湯流れを覗く〜」
土屋綾斗さん(機械工学科4年)
「一年中美味しいイチゴを食べるために〜イチゴの高設栽培における環境制御と最適化〜」
下地航さん・庄司岳輝さん(機械工学科4年)
「トラフ・折れしわの改善を目指して〜張力の温度依存性から見えるしわの原因とは〜」
竹内大哉さん(機械工学科4年)
「『羽ばたく・ひねる・前後にずらす』で三位一体の羽ばたき!~トンボ型MAVの飛翔安定化を目指したリードラグ運動の導入~」
本間大貴さん(機械工学科4年)
「もう振動に弱いなんて言わせない! フォイル軸受を組み込んだエアスピンドルモータの開発」
遠藤大地さん・小島彗輔さん(機械工学科4年)
「潤滑油の嫌われ者『マイクロバブル』の挑戦! ~トラクションドライブにおけるマイクロバブルによる攪拌抵抗の低減~」
山本二千翔さん(機械工学科4年)
「ヤモリの秘密から見出す新たな動力伝達手段~ヤモリにおける吸着特性の観察および手のひら構造を模倣した突起シートの製作~」
山田健太さん(機械工学科4年)
「カエルの指先が新たなロボットの姿を指し示す! ~カエルの指先構造を応用した動力伝達機構のための突起シートの製作および性能試験機の設計~」
廣岡秀将さん(機械工学科3年)
「海の印象を与えるプレイリスト&ミュージックプレーヤの作製」
馬場 慧さん(機械工学科3年)
「製造業での労働災害の防止を目的とした接近物体検知装置の開発」
齋藤拓海さん(機械工学科3年)
「物へのコミュニケーション能力を付与による周りの反応の変化と影響の研究」
深見哲弘さん(光・画像工学科4年)・中村知亜梨さん(同3年)
「耐光性における酸化ニオブ干渉色の色材への応用検討」