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2021.03.23 生活につながる知識や視点が広がる
大学院応用理化学専攻2年 白鳥瑚乃羽さん

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2021.03.23

生活につながる知識や視点が広がる
大学院応用理化学専攻2年 白鳥瑚乃羽さん

社会にあふれるさまざまな課題に挑み、未来を切り拓く力を磨く――。機械や化学、電気通信に建築・土木、航空宇宙、エネルギーなど「工学」がかかわる幅広い分野を学べる東海大学工学部。そのフィールドを活用し活躍している学生たちに突撃取材! 今回は、「魚の卵や稚魚を生きたまま顕微鏡で観察できる技術」を研究している大学院工学研究科応用理化学専攻2年の白鳥瑚乃羽さん(指導教員=応用化学科 岡村陽介教授)に、大学での学びの面白さを語ってもらいました。

――応用化学科の授業はどんなところが魅力ですか?

1年生の時から実験科目があるところですね。私が応用化学科を選んだのも、「実験をたくさんしたい」というのが理由の一つだったので、4年間はとても充実していました。しかもすべてのリポートを先生方が添削し、コメントをつけてくれるんです。わからないところがあっても、質問に行けば親身になって説明してくれるので、実験を通して本当に力がついたと感じています。

実験の内容も「有機」から「無機」まで幅広いテーマを扱っており、座学でも「学んでみたい」と思うような科目がたくさん用意されています。実験と座学をしっかり学んでいくと、きちんと力がつくようなカリキュラムになっているのも魅力ですね。

――現在手掛けている研究の魅力は?

私が研究している高分子超薄膜(ナノシート)は、サランラップのように対象の上に置くだけで包み込んで動かないように保定できるほか、穴をあければ水なども通すので、対象を生きたまま観察することができるんです。私はゼブラフィッシュという魚をラッピングして観察する手法を研究していましたが、研究室ではほかにも細胞を長時間観察する技術や、医療用ばんそうこうに応用するなど、さまざまな可能性を切り拓く研究が進んでいます。研究するほど可能性が広がっていくのがナノシートの魅力だと思います。

もちろん研究なので、思うように進まなくて苦労することもあります。でも自分の頭で考え、手を動かして実験をしていくのは何にも代えがたい醍醐味だと思います。誰もやっていないことを研究するのは、本当に面白いですよ。

――工学の面白さは?

何よりも、私たちの生活につながる新しい知識や視点を身につけられるのが楽しいと思います。工学は私たちの生活に密着した学問なので、大学で学んでいくと世の中のさまざまな物事について「科学」の視点から考えられるようになるんです。そうすると、自分なりに「不思議だな」と思うことも増えていきます。卒業研究や修士になれば、その知識を生かして自分なりに新しい分野を切り拓ける。そこが工学の魅力さだと思います。

●白鳥さんが研究する「魚の卵や稚魚を生きたまま顕微鏡で観察できるラッピング技術」

魚などの生物を観察する場合には、シャーレ上に対象を載せて顕微鏡で観察する手法が一般的に用いられています。しかしこの方法では、対象物を保定できないことから、正確な観察がしにくいといった欠点がありました。白鳥さんはその問題点を改善しようと、独自に作成した撥水性超薄膜でゼブラフィッシュの卵や稚魚を覆うことで、より安定して対象を観察できる手法を研究。卵からふ化して成長していく過程を同じ個体で観察したり、薬剤などを投与してから効果が表れていく過程を長時間観察することを可能にしました。

白鳥さんは2019年5月に高分子学会で優秀ポスター賞を、11月には日本バイオマテリアル学会大会で優秀ポスター賞を受賞しました。

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