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2020.09.28 日本機械学会ベストプレゼンテーション賞を2年連続受賞
大学院総合理工学研究科3年・川本裕樹さん

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2020.09.28

日本機械学会ベストプレゼンテーション賞を2年連続受賞
大学院総合理工学研究科3年・川本裕樹さん

大学院総合理工学研究科博士課程3年の川本裕樹さん(指導教員=工学部動力機械工学科・高橋俊准教授)がこのほど、日本機械学会のベストプレゼンテーション賞を2年連続で受賞しました。同賞は、昨年度機械学会の「エンジンシステム部門」が開いた講演会などで優れた講演発表を行った35歳以下の会員に贈られるもので、同一の研究者に2年続けて贈られるのは極めてまれです。

川本さんは、本学が参画して2018年度まで行われていた内閣府総合科学技術・イノベーション会議戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「革新的燃焼技術 機械摩擦損失低減グループ」に参加。高橋准教授のほか、工学部機械工学科の畔津昭彦教授や落合成行教授、建築学科の山本憲司教授らの指導も受けながら、エンジン内部でピストンが駆動している最中に、内部の油がどのように動いているのかを可視化する研究に取り組んできました。同研究は昨年度から、国内の自動車メーカーが結成しているエンジン研究の支援団体「自動車技術研究組合(AICE)」の委託研究として継続しており、川本さんも参画しています。

【受賞研究概要】

川本さんは、潤滑油がピストンリングとピストンが接している部分をどのように流れているかを、気液二相流解析という手法を用いて計算し、可視化するシミュレーション技術を研究しています。一昨年までの研究でエンジン駆動中に、特定のピストンリングの周りで潤滑油がどのように流れているのかを可視化することに世界で初めて成功。昨年度の発表ではさらに進歩させ、潤滑油が流れている場所と流量を定量的に計算することを可能にしました。

世界的に環境意識が高まる中、環境負荷の低いエンジンの開発が急がれており、駆動中に内部で起きている現象の解明が次世代技術の開発に欠かせないものとなっています。川本さんの研究は、この分野に貢献する新技術として期待されています。

【受賞のコメント】

昨年からの研究内容の進歩を評価していただけたことをとてもうれしく思います。まさか2年連続で賞をもらえるとは考えていなかったので、大変光栄です。

最近はコンピュータの性能が向上しており、シミュレーションの分野ではこれまでとは違うアプローチも取り入れられるようになってきています。それでも、研究を一つひとつ積み重ねていくことが重要であるという、研究の原点はこれからも変わらないと思っています。

現在のシミュレーションモデルをベースに複雑な現象の解析を進める一方、一般的なコンピュータでも使えるシンプルなモデルの開発も進め、この研究を自動車にかかわる多くの人に貢献できるようなものに成長させていきたいと考えています。

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