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2019.06.13 日本建築学会作品選集新人賞受賞!
建築学科卒・山下貴成さん

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2019.06.13

日本建築学会作品選集新人賞受賞!
建築学科卒・山下貴成さん

工学部建築学科卒業生(2002年卒)で非常勤講師の山下貴成さんがこのほど、山梨県河口湖町の「河口湖とらのこ保育園」で、日本建築学会作品選集新人賞を受賞しました。

【受賞概要】

建築的に高い水準を有する作品を紹介する日本建築学会の「建築雑誌増刊作品選集」に掲載された作品の中から、40歳未満の筆頭設計者に対して贈られるものです。山下さんは同作品で、各国の若手建築家が初めて手掛けた作品の中から特に優秀なものを選ぶ「Bauwelt Award 2019:First Works」も受賞しています。

【作品概要】

「河口湖とらのこ保育園」は、富士山を見晴らす河口湖町で、三方を高齢者施設に囲まれた環境に建てられています。屋根には大きな曲線を持つ「LVL湾曲垂木」を構造用合板で挟んだサンドウィッチ構造を取り入れて軽やかさを演出しているほか、壁材にも木をふんだんに取り入れた作りになっており、子どもたちの思い出に残るアクセントとして絵本作家のミロコマチコさんの絵を壁の一部に配しています。

写真提供=山下貴成建築設計事務所

また園内は、子どもたちが外遊びを楽しめるよう大きなひさしに覆われた広場の周りに、保育室やランチルーム、ラウンジなどを設置。「大きな木の下に皆が集う空間」というコンセプトのもと、保育室とランチルームは仕切りのない大きな空間としつつ、屋根の高さに変化を与えることで子どもたちがその時の気分に応じて過ごせるスペースも設ける工夫を取り入れています。またラウンジや広場は高齢者施設の利用者や職員らも利用できるようになっており、地域の核をなす憩いの場としての役割も担っています。

【受賞のコメント】

ー受賞の感想をお聞かせください

私にとっては独立の契機になった作品であり、一生懸命やった成果を評価していただけたことはうれしい限りです。

―東海大学建築学科の特徴は?

東海大の建築学科には私が在籍した当時、1学年に約200名の学生がおり、日々の課題では常に『他にはないアイデア』の提案を求められているようで、切磋琢磨する環境がありました。また、指導教員だった吉松秀樹教授はもちろん、外部の先生方も含めて活躍されている方の指導をうけられたことが良かったですね。東海大は「新しさや面白さ」を考える環境があったと思います。

 

―卒業後はどのような経歴を歩まれたのですか?

大学院は恩師である吉松先生と同じ東京芸術大学で学び、国際的な建築事務所「SANAA」で10年間勤務したのち2015年に独立しました。芸大では建物のプロポーションや空間の豊かさを追求する姿勢を身に付け、SANAAでは、基本設計から建築までの現場で必要なスキルを身に付けられたと思っています。

 

―この仕事の魅力は何ですか?

考えたことが形になることです。難しい課題に直面するときもありますが、それに取り組み解決する面白さは東海大で学んだようにも思います。もちろん、一つの建物を作るまでには施主と何度も話し合う必要があるので、お互いのフィーリングや建築に対する基本的な方向性が同じでなければなりません。

建物の設計は、その全体が持つストーリーの中に、さまざまな要素をちりばめていく作業になります。そのため、クライアントの要望もそのストーリーのどこかに位置づかなければなりませんし、予算との兼ね合いもあります。でも、それが実現できた時の喜びは何物にもかえがたいですね。

 

―今後はどんな作品を作りたいと考えていますか?

これからもさまざまな人が集まるパブリックな施設を作りたいと考えています。なかでも、日本とは文化の違う海外の建物を手掛けたいですね。もちろんわからないことも多く、条件が多くなるとより難しくなると思うのです。だからこそやりがいがあると感じています。

一方で、人々の生活の基本となる「住宅」もやってみたいと思います。住居は身近だからこそ、生活の価値観に大きな影響を与えられます。心地よい家に住めば、それだけで幸せな気分になれることもあると思うのです。住む人の幸せに貢献できるそんな家を作りたいですね。

 

―学生への激励のメッセージをお願いします

在学中には、できる限り「未知のものに挑む」ことをしてほしいですね。建築家含めモノをつくる人間というのは、常に先のわからない、未知のものに挑んでいきながら新しさを追求していく存在だと思うんです。安定志向が強い学生も多くなっています。でも、「挑む」ことは大変だけどそれによって得られるものも大きい。その経験をできる限り積んでほしいと思います。

あと、「東海大学」は世界に通用する大学であることを知ってほしい。それは、私自身が設計事務所で働いた経験からいえることです。多方面で活躍する先生方から指導を受けられますし、あきらめず努力を続ければ世界をまたにかけた仕事をすることもできます。学生の皆さんもハングリー精神をもって、頑張ってください。

 

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