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2019.12.13 二酸化炭素から、エネルギーとして使えるメタンをつくる【2/3】
工学部材料科学科 源馬龍太講師

研究紹介

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2019.12.13

二酸化炭素から、エネルギーとして使えるメタンをつくる【2/3】
工学部材料科学科 源馬龍太講師

二酸化炭素を材料として有益なものを生み出したい

二酸化炭素の処理についての研究は盛んだ。たとえば圧縮して地中に埋め、固体として安定化させる方法。地球のプロセスが長い時間をかけて続けていることを、人工的に行わせようというものだ。

プラズマで二酸化炭素を分解するという方法も研究されている。ただし、そこで炭素を何か別の物質に変えないと、すぐに二酸化炭素に戻ろうとする。「自然界の法則には逆らえない」(源馬先生)からだ。

源馬先生の研究は、水素吸蔵合金を使って二酸化酸素と水素からメタンをつくりだすもの。金属の中には水素を取り込む性質を持つものがある。その性質を利用して二酸化炭素と水素から別の物質を作る研究は、すでに1970年代から進められている。

より効率よく、より安定した手法を求めて

たとえばそこに300度ほどの熱を加えると、水素と二酸化炭素から都市ガスの主成分であるメタンができることは従来の研究で分かっていた。「けれど300度の熱を加えるとなると大きなエネルギーが必要です。もっと低い温度、できれば室温程度でもメタンを生成する方法がないかと考えました」(源馬先生)。

茶筒程度の大きさの金属のポットにパチンコ玉のようなステンレスのボールと、水素吸蔵合金の粉をひとつまみ入れる。さらに注射器上の器具で水素と二酸化炭素ガスを注入し、高速でかき混ぜる。

「ボールがパカッと割れると、新しい表面が出現しますよね。新しい表面は気体が反応しやすい特性を持っています。その性質を利用すれば室温でも化学反応が起きてメタンができるのではないかと考えたところ成功しました」

ボールミリング法と呼ばれるこの手法は、金属のポットとかくはん機があれば、メタンが生成できるシンプルさが特徴だ。

「二酸化炭素をメタンに転化できれば家庭用のガスとしても活用できる。なによりも実験データをメタン生成に、より有利な触媒や生成方法の提案につなげる。未来への礎となる基礎研究。そこにやりがいを感じます」(源馬先生)。

資源の乏しい日本にとって、エネルギーの自給率を上げられる可能性には大きな期待がかかる。環境面でも、二酸化炭素の排出権が通貨として使われるようになれば、経済効果も期待できるのだ。

(続く)

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